石とともにある
- Yuya Yanagimoto
- 2月12日
- 読了時間: 2分
更新日:2月17日
寺内町を散策すると、いたるところに大小さまざまな石が見受けられる。
角にある石、石のモニュメント。

フランスの文学者ロジェ・カイオワのいう「石の美は、普遍的な美の存在を示している」というのは、あながち間違いではないように思える。寺内町の石にはなんだかよくわからない魅力がある。石に普遍的な美があるのは、大いに同意できる。
ただロジェのいう美とは、石、特に鉱物の中に含まれる模様が持つ美を指しているが、寺内町に偏在している石は、鉱物的希少性による美を含んでいるかというとそうではない。金剛山がから出土した、シンプルな花崗岩だ。
ごつごつとした、花崗岩のありのままの姿に侘び寂びがある。日本的美が魅力なのだ。

道路脇の石臼のなかに、また石。家の脇にも石が規則的に並んでいる。
敷地への駐車を防ぐための『いけず石』。中には、座って休んでくれと言わんばかりの石もある。いろいろな種類の石がそこにはある。

雨どいの先にどっしりと佇むものも見受けられる。水の勢いを止めるのが目的なのだろうか。はたまた、ここが鬼門に位置しているので、悪いもの入ってこないようにおいているのだろうか。
こういった石を眺めていると、そういった疑問や気づきがわいてくる。
寺内町を離れても、ふと足元を見ると道に落ちている石、線路においてある敷石の色や形などにも何か意味がありげに思えてくる。
普段は何気なく見落としている石の存在を考えさせてくれる。
超芸術トマソン的な思考の水先案内を行ってくれる。
ぜひ、訪れてその魅力を体感してみてほしい。
Comments